奈良民医連被災者健診
2016年2月7日(日)土庫病院で奈良民医連被災者健診を実施しました。
去る2月7日、土庫病院にて奈良民医連被災者健診を実施しました。
これは福島第一原発事故の自主避難者向けに毎年実施しており、2012年以降今回で4度目の健診です。今回実施したのはこれまで土庫病院で健診を請けてフォローしている方と今回初めて受診される方々で、全体で61名、そのうち初めての方は8名おられました。奈良放射能測定所のボランティアさんによる相談コーナーや近隣の精神科医師によるこころの相談コーナーなどを設け、様々な相談にも対応できるようにしました。
また医学生も参加し、受診者の方に承諾を得た上で、問診や甲状腺エコー、診察に同席させていただき、見学しました。
健診終了後、健診スタッフとボランティアさんで懇談会を行いました。医学生の感想で、「しっかりした小学生と思っていたら、問診で学校になじめないと涙した男の子をみて、こどもに対する支援も必要と感じた」との感想が寄せられました。奈良民医連被ばく対策委員長で健生会理事長の横山医師は、福島の先行調査のデータは、明らかに原発事故と甲状腺がんの因果関係があることを示している、今後もデータの積み重ねが重要で、この健診の意義は大きい。また生活面での支援も重要だと語りました。
震災から5年、震災の記憶も徐々に失われつつあります。それに反比例するかのように原発は再稼働が進められています。
また一刻も早く事態の収拾をはかりたい政府は、避難者を帰郷させるため、支援の打ち切りなどをすすめています。しかし福島第一原発事故はまだ収束していませんし、2011年3月11日に出された「原子力緊急事態宣言」はまだ解除されていません。福島の記憶を風化させてはいけません。原発反対の声をあらためて強めていくこと、そして避難者に対しては医療支援のほかに生活支援も行っていかなければなりません。
今後も被災者支援と原発反対の運動をみなさんと一緒にもりあげていきましょう。
健生会土庫病院 被ばく対策委員会事務局 室田智郁 (土庫病院事務次長)