胃や腸の病気
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流してくることで発生する病気です。症状としては、すっぱいものが上がってくる、胸が焼ける、のどがイガイがする、咳が続くなどがあります。
実際に食道が炎症でただれているものと、炎症が無いのに症状だけがあるものがあります。胃酸を抑えるお薬が良く効きます。
胃炎
原因は様々ありますが、胃炎とは、胃に炎症がある場合をいいます。原則として、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃の中に居らず、症状が無い場合は治療の必要はありません。しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌が居る場合は、胃癌になりやすくなるので、必ず除菌治療が必要です。
症状としては、胃の不快感や痛み、吐き気、食欲不振等を催します。急性のものと慢性のものがあります。
機能性ディスペプシア
胃癌や胃潰瘍等の病気が認められないにも関わらず、胃の痛みや胃もたれ、食後早期の膨満感などの症状を訴えられる患者さんがおられます。このような患者さんでは、主に胃の運動に異常が起こったことが原因だと考えられています。胃の運動を調節するお薬が有効です。
過敏性腸症候群
ストレスなどに腸が過敏に反応して動くため、便通の異常がおきる疾患です。下痢や軟便が多くなったり、腹痛やお腹の張り、お腹が鳴る等の症状があります。約22%の人が症状を持っていると言われ、誰でもがなりうる可能性がある現代病の一つです。腸の動きを穏やかにするお薬などで治療します。
便秘症
便秘は、年を取るに連れて増加します。ストレスなどで腸が過剰収縮し、便が腸内に長時間停滞することが原因で起きたり、運動不足で腸の動きが悪くなったりして起こります。恐いのは、大腸癌などで腸が狭くなって便が通りにくくなる状態です。内視鏡などできちんと検査しておくことが大切です。
また便意を我慢することが続くと排便反射が起こらなくなり便秘になることもあります。依存性の無い、安心して長期間服用できるお薬で治療します。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)
一般的には、『難病』として位置づけられているもので、現時点では、原因不明の病気です。
潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が発生してびらん、潰瘍ができるもので、血便や下痢、腹痛等の症状が発生します。クローン病は、大腸だけでなく、口から肛門まで広い範囲の消化管に炎症が起きてきます。潰瘍性大腸炎と同じような症状に加えて、痔瘻等、肛門の症状もみられます。いずれも悪くなると入院や手術が必要になります。
早めに診断、治療することにより、炎症を速やかに抑えて、患者さんの社会生活(仕事、学校)を守ってあげることが必要です。入院、手術させない治療が大切です。